全日本選手権覇者の原沢久喜(23=日本中央競馬会)が、リオデジャネイロ五輪代表選考レースでも巻き返しに成功した。男子100キロ超級の準決勝で元世界王者の上川大樹(26)、決勝で世界選手権2年連続銀メダリストの七戸龍(27)を撃破。「目標はリオ。それに向かって、地道に勝ちを積み重ねたい。直接対決でアピールできた」と収穫を口にした。

 七戸との決勝は、組み手争いで互いの長所を消し合う展開に。延長戦に入って40秒が経過したところで、「相手の一番苦しい場面で自分が出る」と気持ちを奮い立たせて、勝機を逃さない。内股から足技につなげて、場外に押しやった。七戸が消極的とみられて指導を受け、優勝が決まった。

 代表レースは来春まで続く。井上康生監督はこの日の結果を受け、「差がなくなった」と2人を評した。再建を目指してきた重量級は、五輪イヤーを前に高いレベルでの争いが続いていくことになる。