初出場の宮原知子(17=関大高)は自己ベストを更新して2位に入った。

 「絶対に跳べる構成になっているので」。さらっと振り返る宮原の言葉に、充実感と自信がにじんでいた。初出場の舞台でフリー、合計の自己ベストを大幅に更新。「135点を目標にしていた。一気に超えたのでビックリしました。プログラム自体の作りと、あとは回転不足がなかったのがちょっとずつの積み重ねで点数が出せたのかな」。140点以上をマークした4分間を振り返った。

 「初恋」をテーマにした柔らかな旋律に身を委ね、「スケートが好きという気持ちを重ね合わせて優雅に滑れた」という会心の演技だった。3回転-2回転-2回転の3連続ジャンプを皮切りに、「絶対」のジャンプを決めていく。回転不足や、SPで犯した踏み切り違反もなく、作品を完成させた。

 無尽蔵のスタミナは体力測定で「マラソン選手並み」と判定されたことがある。150センチの小柄な体からは想像し得ない最大酸素摂取量に、周囲を驚かせた。浜田コーチに「普通の子がここまでなれるのは練習のたまもの。運動能力やパワーはないが、人の3、4倍も練習する努力家」と言わしめる豊富な練習量は、その体が支えている。

 昨年の全日本選手権制覇に始まり、今年3月の世界選手権では銀メダル、そして今大会-。安定感ある演技で快進撃は止まらない。自信も重ね、全日本選手権には女王としてタイトルを守りにいく。