女子58キロ級の伊調馨(31=ALSOK)が、圧倒的な強さで12回目の優勝を果たした。

 ライバルたちに対戦を避けられ、同級の出場者はわずか5人。初戦の準決勝で樋口美賀子をテクニカルフォールで破ると、決勝では増田奈千にフォール勝ち。それでも「あまりコンディションがよくなかったし、やろうと思っていたことができなかった」と悔しそうに話した。

 大会ごとに複数の課題を持って臨む。今大会も4つの遂行を目指していたが、できたのは「1つだけ」だった。「やりたいことを意識しすぎて、流れが悪くなった」と振り返った。

 今大会に出場して、リオデジャネイロ五輪代表にも正式決定。「たくさんの方に期待されているので、いい試合をしたい」と女子史上初の4連覇を目指して話した。過去3大会は63キロ級だったが、階級変更でより本来の体重(59キロ)に近い58キロ級で勝負できる。「ロンドンまでは無理に体重を増やしてバタバタした。今度は言い訳ができない」と真剣な表情でリオ五輪での活躍を誓った。