上越総合技術(新潟)は高川学園(山口)に2-1で逆転勝ちした。第1セットこそ、接戦の末29-31で落としたが続くセットを2連続で奪い、勝利を決めた。最高到達点が全日本クラスの342センチを誇るエース新井雄大(2年=187センチ)がコートで爆発。高い打点から豪打のスパイクを見舞い続けて、勝利の立役者になった。今日7日の3回戦は、2連覇を狙う東福岡に挑む。

 新井がレフトから放った強烈なスパイクは、相手レシーバーが1歩も動けないまま、コートに弾んだ。第1セットの1点目はエースのポイント。2年生の高さとパワーは並ではなかった。

 1枚ブロックに跳んでのポイントは2点。バックアタックでも3点を奪った。「大事なところはオレのところにもってこい」とセッター猪俣友哉(3年)に告げた1-1で迎えた第3セット。ウイニングスパイクも豪快なバックアタックだった。

 城東中3年の時に全日本中学選抜に選ばれ、韓国遠征した。しかし、高校では「全日本」に選出されたことはない。中学時代に都道府県対抗中学バレーで優秀選手賞獲得の経験はあるが、高校で全国大会に出場したのは今回が初めて。隠れた逸材は今回、大舞台でベールを脱いだ。

 187センチながら最高到達点342センチは全日本選手クラス。高校生でただ1人、全日本メンバーに登録された秋田・雄物川の鈴木祐貴(3年=203センチ)の340センチより、身長で16センチ劣るが最高到達点は2センチ上回る。千葉賢一監督(36)は「化け物です」と評したほどだ。

 好物は牛乳。栄養価の高い飲み物で新井は、骨太(81キロ)の体を作り上げた。いとこでチームメートの渡辺寧馬(しずま=3年)はこう明かす。「ファストフード店で(メニューにはない)牛乳を注文して、こっちが恥ずかしくなったことがある」。中学時代から繰り返していたバスケットリングに飛びつく遊びも、下半身のバネ養成にひと役。遊びでダンクシュートを軽々と決める。

 上越総合技術は2年前、1回戦の足利工大付(栃木)戦を突破して2回戦に進出した。メンバーだった兄絢也さん(20)の応援のため、新井は東京体育館スタンドで観戦。「自分も、この舞台で活躍したい」と熱望したコートでの2勝は兄を超えた。

 3回戦の相手は、2連覇を狙う東福岡。昨年8月の世界ユース(U-19)代表の金子聖輝(3年)とのエース対決になる。「楽しみです」と上総のエースはニッコリ笑った。【涌井幹雄】

 ◆新井雄大(あらい・ゆうだい)1998年(平10)6月27日、上越市生まれの17歳。城東中卒。昨年2月には、長身選手発掘育成事業として開催された15年全日本ジュニアオールスタードリームマッチ(大阪)のメンバーに選出。187センチ、81キロ。血液型B。