東京五輪の星が輝いた。仙台・東宮城野小6年の張本智和(仙台ジュニアクラブ)がジュニア(高校2年生以下)3回戦で3-0でストレート勝ち。史上最年少を記録した昨年に続き、2年連続で4回戦進出を決めた。

 もはや、12歳の風格ではない。鋭いスピンのかかったボールが相手のラケットをはじく。「ブロックばかりではダメだと気持ちを切り替えました」。ジュースと接戦となった第2セットから一転、強烈なフォアハンドで攻め立てた。コースに打ち込み、得点を重ねる。持ち味の積極性を武器に一気に押し切った。

 日本が、世界が注目する逸材だ。昨年10月にはワールドツアーのポーランド・オープンに史上最年少で出場。敗れたものの世界王者の馬龍と対戦し、自信を深めた。大舞台を経験し、「試合を重ねて大きくなったと思います」と胸を張る。この日も第2セットで6連続失点。9-10と劣勢を迎えても、「焦るな、挽回だと自分に言い聞かせました」とひるまずに我慢の卓球を披露し、勝ちきった。

 体の成長も著しい。身長は昨年から10センチ以上伸びて、163センチ。体重も52キロと約10キロ増えた。「1学年上がって、体が大きくなった。プレーの質も上がったし、スピンが良くなった」と力強さが増した。それでも、コートを離れればかわいらしい一面もある。好きな漫画は「名探偵コナン」。「最近読んでます。大好きです」と素顔は他の小学生と変わらない。

 男子ダブルスにも出場したが、大学生ペアに0-3で完敗。「歯が立たなかった。切り替えたい」と前を向いた。今日13日には一般男子の初戦も迎える。「ジュニアの部は優勝。一般の部は1勝でも多くできたら」。スーパー小学生が高い目標に挑む。【島根純】