20年東京五輪の期待の星、小6の張本智和(12=仙台ジュニアクラブ)が、男子シングルス史上最年少となる2勝目を挙げた。3回戦で吉田海斗(16)に、3-0のストレート勝ち。4回戦ではリオデジャネイロ五輪代表候補の丹羽孝希(21)に0-4で敗れたが、今後の伸びしろに周囲の期待は高まるばかりだ。

 張本は3回戦で高1の吉田を圧倒した。最年少で4回戦に進出したが、世界ランク13位の丹羽にストレート負け。ジュニアの部準決勝は、エリートアカデミーに所属する高2の緒方に1-3。「大人や高校生にパワーの差は縮められていると思うが、丹羽選手は思った以上に強かった。攻めさせてもらえなかった。ジュニアは来年こそ優勝したい」と悔し涙を流した。

 落胆ムードの試合後、観戦に訪れた鈴木大地スポーツ庁長官から、協会を通じて貴賓席へ招かれた。石川、福原らリオ五輪代表内定選手でなく、小6選手が指名されることは異例。「五輪もあるんだから頑張って」などの激励を受けた。

 男子日本代表の倉嶋監督からも「強い相手に負けてこそ、多くを学ぶことができる。世界と戦うには劣勢からの戦い方など経験が必要」と期待された。4月からは仙台を離れ、JOCエリートアカデミーでの英才教育が決定している。

 1年間で身長10センチ、体重10キロ増。昨春には膝の成長痛に悩まされたほど、伸び盛り。「卓球に専念できる良い環境は楽しみ。東京五輪で金メダルをとりたいです」。堂々と期待を背負った。【鎌田直秀】