テレビ朝日「第50回ビッグスポーツ賞」の表彰式が15日、都内のホテルで行われ、体操の内村航平(27=コナミスポーツク)がリオデジャネイロ五輪での団体金メダルを宣言した。5年連続6回目の受賞となった内村だが、今回は世界選手権で優勝した団体メンバーの一員としての栄誉。フィギュアの羽生結弦、競泳の瀬戸大也、競歩の鈴木雄介も同賞を受賞した。

 日本のスポーツ界を代表する豪華な顔ぶれがそろう表彰式。08年の新人賞などを含め8回目の受賞で、すっかり「テレ朝新年会の顔」となった内村だが、今年は勝手が違った。「今回はチームとしての受賞なので、かなりうれしく思っています」。いつもは1人で臨む壇上のインタビューも、チームメートと一緒。とびきりの笑顔がはじけた。

 毎年、新年に繰り返してきたのが「来年は団体で受賞したい」だった。個人総合では世界選手権で昨年まで6連覇。しかし団体では中国の壁を破れずに苦しんだ。かつて「体操ニッポン」を支えていたのは五輪で5連覇するなど圧倒的な団体の強さ。エースとして日本を団体優勝に導くことが、最大の目標だった。

 昨年10月の世界選手権で37年ぶりの団体優勝。「リオにつながる」と喜んだ。「金メダルがとれる実力があることは証明できた。その力が出せれば、金メダルはついてくると思うので」。リオでの団体金メダルへの手ごたえを口にした。

 他競技のスター選手からも刺激を受けた。同席したフィギュアの羽生から「一方的に聞かれた」と、質問攻めにあったことを明かした。「海外では床が違うのかとか、ひねりのこととか…」。研究熱心な姿に感心し「だから金メダリストなんですね」と話した。

 同じ採点競技。「共通する部分もある」という。内村も羽生の演技は必ずチェック。「歴代最高得点を塗り替えて、進化していくのはすごい」と話して「どんどん完成度を上げてくる。僕もそういうことをやりたい」と目標に掲げた。「この賞をもらうと、1年が始まるという気持ちになる」という体操界のエースは「五輪イヤーといっても、いつもと同じ。気負わずにやりたい」と、8月のリオを目指して話した。【荻島弘一】