日本人が世界の頂点を争う男子400メートル個人メドレー決勝で、新年から金メダル争いが過熱した。

 右肘骨折で昨年の世界選手権を欠場した萩野公介(21=東洋大)と世界選手権金メダルの瀬戸大也(21=JSS毛呂山)が昨年6月の欧州GP以来、約7カ月ぶりに直接対決。予選は萩野が5秒以上の差をつけて圧倒も、決勝はスタートから大接戦を展開。最後は萩野が4分11秒38と、瀬戸に1秒6差をつけて勝利した。

 決勝の最初の100メートルは瀬戸が得意のバタフライでリードする。100メートルを過ぎると、今度は萩野が得意の背泳ぎで抜き返す。200メートルからの平泳ぎでは、再び瀬戸がリードを奪う。300メートル手前、今度は萩野が再逆転。そのまま最後の自由形も突き放す。互いの意地がぶつかりあった金メダル候補の直接対決。五輪イヤー最初の対決は萩野が制した。

 レース後、萩野が「2人で泳ぐ喜びをかみしめた」と言えば、瀬戸も「久しぶりの勝負は楽しかった」と振り返る。昨年世界選手権欠場した萩野はもちろん、瀬戸も昨年9月に両かかとを手術。ともに万全ではなかったが、久しぶりの直接対決で、いつも以上の力を発揮させる。瀬戸は「もっとぶっちぎられると思っていた。びっくりした」と振り返った。

 今後の直接対決は2月20日開幕のコナミオープン(東京辰巳国際水泳場)を経て、リオデジャネイロ五輪代表選考を兼ねた日本選手権(4月4日開幕、東京辰巳国際水泳場)と続く。萩野が「勝つことが大事」と優勝で代表を確定させる決意を口にすれば、世界選手権金メダルで五輪代表内定の瀬戸も「プライドがある」と優勝を譲るつもりはない。2人の切磋琢磨(せっさたくま)が五輪金メダル、日本人のワンツーフィニッシュにつながっていく。