日本体育協会、日本オリンピック委員会(JOC)や多くの競技団体が事務局を構える岸記念体育会館(東京都渋谷区)の老朽化問題で、日本体協とJOCは2日、2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場(同新宿区)の南側近隣に新ビルを建設して移転する計画を発表した。

 来年夏にも着工し、19年春の完成を目指す。日本体協の岡崎助一副会長は20年大会に向け「スポーツ団体の運営拠点の拡充が不可欠」と述べた。

 計画によると、新ビルは地上14階、地下1階で高さ約60メートル。五輪の歴史や意義を紹介する「五輪ミュージアム」が1、2階に入る。総工費は100億円程度を見込んでおり、日本体協とJOCが半分ずつ負担する予定。財源確保が課題で、両団体による「建設委員会」で検討を急ぐ。

 1964年の東京五輪を機に建設された地上5階、地下3階の現会館は42団体が事務局を置くが、耐震性への懸念があることや手狭であることが問題となっていた。新ビルでは各団体の事務局スペースは現在の約1・5倍に広がる予定という。