【台北16日=高場泉穂】魔物を払って頂点に立つ。明日18日に開幕するフィギュアスケート4大陸選手権の公式練習は台北アリーナで行われ、宮原知子(17=大阪・関大高)がフリーをほぼ完璧に滑るなど順調な仕上がりを見せた。今月13日に高校を卒業したが「五輪には魔物はいるのか」をテーマにした卒論はまだ執筆中。五輪とは違う今大会にも「魔物はいると思う」と警戒。「その時の自分が自信をもてるかどうかで(魔物が)出てくるかが決まる」と気を引きしめた。

 「魔物」の研究のため、トリノ五輪金の荒川静香氏、バンクーバー五輪銅の高橋大輔氏ら大舞台を経験した先輩らに取材を重ねた。「いる、と言った人が多かった」。中でもバンクーバー五輪で靴ひもがほどけるアクシデントに見舞われた織田信成氏の言葉には重みがあった。「魔物は自分で作ってしまうもの。考え方によっては女神になる」と金言を授かった。

 ここ2年銀止まりだった大会だけに「優勝目指して頑張りたい」と見据える。「調子がいいし、リンクもジャンプが跳びやすい」と本番を待ち切れない様子。自信の演技で魔物ではなく、勝利の女神を呼び込む。

 ◆4大陸選手権 国際スケート連盟が主催する98~99年シーズンに創設された米、オセアニア、アジア、アフリカの4大陸の選手による大会。日本は過去、男子シングルで6度、女子シングルで9度の優勝を誇る。