昨年の水泳世界選手権に男子初のシンクロナイズドスイミング選手として出場した安部篤史(33)が再び「世界」を目指す。

 所属する水中パフォーマンス集団トゥリトネスは1日、3月いっぱいで安部が退団することを発表。この日、日本水泳連盟に引退を連絡し、5月の強化合宿参加も辞退した。

 パイオニアとなったシンクロ競技からは離れるが、目指すのは「世界」。長年の夢だった「ラスベガスのショー出演」をかなえるために渡米するとみられる。トゥリトネスの不破央代表は「うちにとっては痛いけれど、男子にシンクロの扉を開いてくれた篤史の夢を応援したい」と話した。

 ラスベガスで絶大な人気を誇るシルク・ドゥ・ソレイユの「O(オー)」は、水がテーマ。昨年安部と足立夢実のコンビで5位になった世界選手権テクニカルルーティンを制した米国の「ミスター・シンクロ」ビル・メイも出演している。世界選手権で本場の男子シンクロスイマーのレベルの高さに触れ、再び「世界」に挑戦する気持ちが強くなったのかもしれない。