全日本柔道連盟は3日、都内で懲罰委員会を開き、2年前から柔道部内で暴力行為が横行していた帝京科学大(東京都足立区)柔道部の乙黒靖雄前部長らに1年間の会員登録停止などの処分を決めた。

 昨年12月に3年生の男子部員が2年生の男子部員を殴って、あごを骨折するけがを負わせていた。同11月には乙黒前部長が4年生を集めて「(被害者を)厳しく指導しろ」と暴力的指導を容認するような指示を出していたことも判明した。

 同連盟は加害者の3年生の男子部員にも1年間の会員登録停止、暴力行為に加わっていた4年生の男子部員にも3~6カ月の会員登録停止とした。なお被害者の2年生男子部員は退学している。

 同連盟は3年前の暴力指導問題以来、組織を上げ暴力根絶に取り組んでいる。近石康宏専務理事は「憤りにたえない。もう1度警鐘を鳴らして、大きな声で(暴力根絶を)訴えるしかない」と再発防止に全力を挙げる考えを示した。