2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の整備計画で聖火台の設置場所が決まっていなかった問題で遠藤利明五輪相は4日、定例会見で「(関係各所)あまり議論されず、前の計画で済んでいた気になっていたのでは」と語った。

 ザハ・ハディド案が昨年7月に白紙撤回され同8月に関係閣僚会議の承認の基、作成された新整備計画や日本スポーツ振興センター(JSC)の新国立募集要項にも、聖火台の記述がなかった。関係各所がうっかり見落としていた点について「大会のメーンセレモニーとして考えていた」と、先送り事項として捉えていたことを認めた。

 大会組織委員会の森喜朗会長、馳浩文部科学相、東京都の舛添要一知事らが集まった3日のトップ級会議後の会見で遠藤氏は、4月までに具体的な場所を決めるとの趣旨の発言をしていたが、この日は「聖火の点火は五輪の最大のメーンイベント。サプライズも必要でありますし、具体的な点火の仕方、設置場所はもう少し後で議論される」と軌道修正。遠藤氏のもとに設置される検討メンバーが4月中に決める事項は、設置場所を競技場内か外かという大枠にとどまることとなった。検討メンバーは来週中にも決める。

 また現在、宮城県石巻市に貸与中の旧国立競技場の聖火台を、新国立でも引き続き利用する案については「まだそこまで決める必要はないが、サプライズも含めて考えていった方がいい」と前向きな姿勢を見せた。