違法カジノ店での賭博行為が発覚したバドミントンの桃田賢斗(21)と田児賢一(26=NTT東日本)が8日、都内で会見した。

 田児と桃田の主な質疑応答は以下の通り。

 -違法なカジノをやっている自分をどう思っていた

 田児 えーっと。そのことに関しては、自分自身、いけないことだとは分かっていたが、止められない自分がいて、どうにかもう一回、自分の中で変わってやっていかなければいけないと思っていた。その中でこういうことになって大変申しわけない。自分が言うのはなんですが、桃田のいまの結果を見てもらえば分かるようにそういうことはしていましたが、そういうことを中心に生活をしていたら、今の桃田の結果はないと思う。自分は近くで頑張っている様子を見ていたので。違法賭博に関して、そういう行為をしてはいけないことは認識していました。

 桃田 いけないこととは分かっていたんですけど、入ってはいけないところに入る好奇心、楽しんでいる自分もいて、自分がこの日本代表を引っ張っていかないといけない立場なのに軽率な行動してしまって反省しています。

 -止められなかった理由は

 田児 言い訳にならないが、自分自身、ギャンブルが好きだったので。そこで止めないといけないと分かっていたが、止められませんでした。

 桃田 自分もスポーツマンでやはり、勝負の世界で生きている以上、ギャンブルに興味があり、抜けられない自分がいました。

 -桃田選手、リオ五輪目前でこうなった選手としての思い。田児選手にはそもそものきっかけは。

 桃田 五輪に出るのは小さい時からの自分の夢でありましたし、福島県のみなさんのためにも活躍するのは元気や勇気を与えられることかな、選手の自分が恩返しできることかなと思っていたが、期待や応援を裏切ってしまったこと。深く反省しています。

 田児 …。

 奥本部長 きっかけは14年9月にアジア大会で田児はけがした。しばらく練習できない。たまたま飲みにいって、店の関係者に声をかけられて、店に入ったのがきっかけ。

 -以前から興味あったんですか

 田児 そのことに関しては、けがをして、練習できない日が続いて、そういった話しを聞いたのはその時が初めてでした。

 -社としての処分は

 榊原総務人事部長 処分は調査後、厳正に対処したい。賭博という不法行為、バドミントン界、社会に影響。かなり厳しい処分にならざるをえない。

 -段階は

 榊原総務人事部長 注意から解雇まである。今回、8名、6名、複数名関与している。勘案して処分は早急に決めていきたい。

 -どう誘ったのか

 奥本部長 一緒に食事にいった流れで行ったと。

 -違法と伝えた上で誘ったのか

 奥本部長 違法と断って誘っているということではないと思いますが、個々は認識持っていた。

 -どんな気持ちで誘ったのか

 田児 そのことに関しては、後輩のことを本当に考えての行動ではまったくなかった。自分自身、賭博に対しての認識が薄かったというのもありますし、その中で遊び感覚で、誘ったのを覚えています。

 -数万から数十万。結構な額だが、出元は。バドミントンで稼いだ金か

 奥本部長 現在、実際に賭博に使われたお金の資金の出元は調査中。基本的に収入は社からの給料、大会の賞金。調査進めてまいりたい。

 -ご自身の言葉で

 田児 それも、軽い気持ちだと思うが、次の年に入ってくる賞金に対して、その自分で戦って賞金を得る難しさを甘く見ていた自分もいましたし、そこまで、深く考えてなかったと思います。

 桃田 自分は6回程度、カジノに行って、一回で10万円くらい持っていって、トータルは50万円負けくらいだったんですけど。やっぱりその、高校卒業して社会人に入って、そのお金を自分で使える軽率な気持ちが、ちょっと軽く考えすぎていたかなと思います。

 -田児さんの金額は

 奥本部長 田児は金額は総額で1000万円と確認している。トータルで60回程度。桃田は都合6回、50万。

 -田児さん、客引きということだが、本当なのか。実際は反社会的勢力の紹介ではないか。店内でいかにも暴力団のような人を見たか

 奥本部長 本人に確認した結果、ないと。客引きだと。そのような人はみたことないと確認している。

 田児 店の中の印象としては、そういった暴力団の人というよりは、みんな自分の印象ではおだやかな感じで接してくれて、行きやすくなった

 桃田 自分も店内の雰囲気としては、反社会的勢力の人はいなかったように感じました。

 -今後の選手生活は

 田児 処分としてはいかなる処分も受ける覚悟でいます。…、すみません。

 桃田 あの、リオ五輪ほぼ確定していた中でみんなの期待を裏切ってしまい、本当に今はこれから先の競技人生というより、自分の軽率な態度の反省と裏切ってしまった申し訳ない気持ちで一杯です。

 -認識の確認。やっていることは重大な影響結果を招くという認識がかけていたのか、発覚しないだろうと思っていたのか。一般感覚とはかけ離れているが、なぜ常識が身につかなかったか。

 田児 認識はものすごいかけていた。海外の遠征で、海外の試合に行ったとき、カジノに出会い、その中で、遊んでいたことによって、感覚が麻痺したんだと思います。

 桃田 僕も初めてカジノに行ったのは、合法の国で行って、スリル感だったり、そういう気持ちから、感覚がおかしくなって、日本のカジノに行っても、そんなにちょっと、感覚がおかしくなってきたのかな。

 -海外のカジノは何年前から。

 田児 自分が一番初めて海外のカジノに行ったのは、21歳のころの韓国遠征だと思います。

 桃田 自分は多分、デンマークで行ったのが初めてだったと思います。

 -バカラ以外は店にあったか。やっていたか。トータル金額は負けた額か

 奥本部長 実際に、バカラのみと確認している。1000万というのは負けた金額だ

 -田児が横浜に行っているのはなぜ。桃田は1月でやめているのは

 奥本部長 墨田区から横浜というのは経営者が元々同じと聞いている。摘発されたあと横浜で店を始めた。誘いの電話があって行ったとのことだ。桃田はバドミントンに集中したいということで自分で止めたということで言っている。

 -賭博場でジャージ姿で現れていた

 田児 ジャージ姿というより、ラフな格好で行っていました。

 桃田 自分はジャージと言われるような格好で行ったことはないです。

 奥本部長 同じで私服で行ったと。ジャージ姿ではないと。一部報道だとラケットを持っていたと言う報道もあったが、事実はない。所属が確認できるものではなかったと。

 -桃田選手に質問。もしもばれたら、五輪が剥奪される事態との認識あったのか。田児さんにはかわいがっていた後輩がこうなったこと、どう思っているのか

 桃田 最初はいけないことと分かっていながら、何回か行っていたが、やはり、全日本決勝で負けてから、自分の中で何かが変わった。自分と向き合って、世界のトップと戦いたいという思いが出てきて、1月からは行かなかった。まさか、もう自分も今こういうことになって、今はバドミントンが充実していて、集中している中で、本当に意識していなかったところからこうなってしまって、行ってしまったことは事実なので、受け止めて反省したい。

 田児 桃田をこういう状況にしてしまったのは、すべて自分に責任がありますし、五輪を控える大事な中で、本当、申し訳なく、思っています。自分もここまで、正直なところ、報道が大きくなるとは思わなかった。軽率だった。申しわけありませんでした。

 -桃田選手に。賭博に行った時、福島の方々の顔を思い浮かべたのか。

 桃田 正直、賭博をしている時は、福島県のみなさんへの感謝の気持ちはその時は思い浮かべてなかったと思います。本当に、あんなにつらい震災を経験して、またこうやってバドミントンができているのも、福島県のみなさんのおかげといっても過言ではない。こういった事態を招いてしまって、本当に申し訳ない気持ちで一杯だ。

 -2人に。違法賭博に複数回行って、止めてくれる人はいなかったのか。

 田児 本来なら、自分が止めないと行けない立場でそういった責任があったと思うんですけど、桃田や後輩のことを巻き込んでしまったのは全部僕なんです。自分が賭博をしていて言うのもあれなんですけど、やっていたことも申しわけなく思いますし、その時点で、桃田が行こうとした時点で止めれなかったのも申し訳ないと思います。

 桃田 正直賭博をしていたことも、周りの人にはあまり言わなかったので、本来なら、社会人として、自分で気付いて正しい行動をしないといけないはずなのに、自分を止められない弱さがあったかなと思います。

 -桃田選手、東京五輪は。4年後の自分になんといいたい

 桃田 本当に今は自分でもこの先どうなるか分からなくて、4年後なんかまったく見えず、今はしてしまったことを反省や申し訳ない気持ちで一杯で。今はただ、反省の気持ちで一杯。

 -両選手に。プロ野球の巨人軍でも野球賭博。違法カジノに行っていた。ニュースをどんな気持ちで見ていたのか。自分たちから告白する気持ちは発生しなかったか

 田児 正直、一番最初に来るのは、このことが、公になったら、あの報道を見て、このことが公になったらどうしようというのが正直な気持ちです。そこで、今になってじゃ遅いんですけど、本当に後悔しているので。2度とやらないようにしたい。

 桃田 自分も野球賭博の報道みた時は、うーん。人ごとではないなというのが、素直な感想で。解雇された報道を見てからは、怖くて、誰にも言えませんでした。

 -その時に2人でどうしようみたいな相談は

 田児 そういう会話はなかったです

 桃田 なかったです

 -小さいころからあこがれていた先輩と一緒にここにいることについてどう思う

 桃田 やはり、中学生の時から、田児選手は自分のあこがれの選手で、やはり自分が一番近くで見ていたと思うし、バドミントンもそうだし、人間味にあふれているし、子どもの、誘われた時にいけないことと分かっていたので、そこで、自分がちゃんと言っていれば、こんなことにはならなかったと思うし。申し訳ないない気持ちで一杯です。

 -店からの借金は

 田児 ありません

 桃田 ありません。

 -ネットカジノやブックメーカーの利用は

 田児 ありません。

 桃田 ありません。

 田児 自分自身は報道が出て、自分の中ではどのようになるか分からないですけど、覚悟はしているのでバドミントンに対して、やり残したことないかと言われるとウソになるが、やはり、今、桃田が世界のトップでプレーしている中で、本当に自分は、どのような処分で2度と、バドミントンをできなくなっても、いいという覚悟はあるので、今、自分の立場で、こういうことを言うのはおかしいんですけど、もう一度、桃田に、チャンスを与えてやってほしいという気持ちしかありません。

 桃田 自分は今回、こういう事態を招き、バドミントン協会にも多大なる迷惑をかけて、どういう処分になるか分からないですけど、バドミントンに対して、全力でやってきたので、でも、今回、どんな処分が下されても、しっかり受け止めて、しっかり自分と向き合って、ちゃんと反省したいなと思います。

 田児 このたび、このような不祥事を自分の軽率な行動から招いてしまったことを深く反省しております。申しわけありませんでした。すみません、あと、さっきも言ったんですけど、自分はいかなる処分も受ける覚悟でいます。桃田のような日本のバドミントンにとっても、我が社にとっても、宝物のような選手を自分のとった行動で、このような事態になってしまったことを、深く、申し訳ないと思っております。桃田にもう一度、チャンスを与えてやってください。お願いします。すみませんでした。

 桃田 今まで支援してくださった福島県のみなさんや自分に期待してくださったみなさんを裏切ってしまって、本当に本当に深く反省しています。申しわけありませんでした。