日本競泳史上にさんぜんと輝く功績を残した北島康介(日本コカ・コーラ)の引退表明を受け、日本選手権開催中の東京辰巳国際水泳場では9日、選手や関係者から惜しむ声や賛辞が聞かれた。北島は10日に記者会見する。

 2012年ロンドン五輪男子400メートルメドレーリレーでともに銀メダルを勝ち取った松田丈志(セガサミー)は「本気で泳ぐ北島康介を見られないのは寂しい。うそであってほしい」と残念がった。同リレーメンバーの藤井拓郎(コナミスポーツ)は「別世界の人。足りない部分を学ばせてもらった」と話した。

 04年アテネ五輪男子200メートルバタフライ銀メダルで、北島が兄貴分と慕った山本貴司近大監督は「康介にしか出せない特別な緊張感が僕にもたまらなかった。今大会でも多くの人がほれ込んだと思う」と魅力を語った。

 日本水連の上野広治常務理事は北島が五輪に初めて出場した00年シドニー五輪やアテネ五輪で日本代表ヘッドコーチを務めた。「平泳ぎを変えた。世界の水泳に大きな影響を与えた」とたたえ「(引退表明後)サブプールで見たことがないほど泣いていた」と明かした。