リオデジャネイロ五輪選考会となる柔道の全日本女子選手権は開幕を翌日に控えた16日、会場となる横浜文化体育館で前日会見があり、女子78キロ超級で五輪切符を争うライバル2人が出席した。国際大会の成績で後続を大きく引き離す田知本愛(27=ALSOK)は、「妹が自分の力で勝って代表権を獲得した。自分も優勝して五輪を狙いたい」と2連覇を誓った。

 70キロ級で代表に決まっている妹遥は、今月上旬の全日本選抜体重別選手権で優勝した。普段はけんかも絶えない姉妹だが、妹は「ライバルという気持ちが強い」という。4年前はロンドンに妹が行き、自分は行けなかった。「負けたくない」と士気は高い。

 選抜体重別では「お姉ちゃん」と慕われる48キロ級の浅見も代表権を逃した。「4年間やってきたことを出せないのは悔しいよ」と大親友から言葉ももらったと言い、その思いも乗せて再びの日本一、その先へと進む。

 78キロ超級で2番手に甘んじる山部にとっては、優勝だけでなく内容を問われる一戦になる。会見では、昨年の決勝で敗れて2連覇を阻まれた田知本を横目に「負けた悔しさがある。リベンジしたい」と語気を強めた。先週、山梨学院大の同級生で、同じミキハウスの競泳の鈴木聡美を応援しに、選考会に足を運んだ。目の前でリオ行きを決めた親友の姿に、「前半から攻めていた。私にはそういうのが足りない」と刺激を受けた様子だった。