世界6位の錦織圭(26=日清食品)が3連覇を逃した。同5位のラファエル・ナダル(スペイン)に4-6、5-7のストレートで敗れ、14年から続いていた大会の連勝は14で止まった。しかし、今季のクレー初戦で3年連続の決勝に進出。5月22日開幕の全仏に向け手応えもつかんだ。次戦は同1日開幕のマドリードオープンに出場する。

 表彰式で敗れてたたずむ錦織の顔には、無念さがにじんでいた。決勝での敗退は、栄冠との落差を目の当たりにするだけに、最も嫌なこと。「相手を倒すのに、もう少しまで近づいていたのに…。悔しさが大きい」。手応えがあっただけに、敗戦はこたえた。

 鉄壁の守備を誇るナダルを攻略するには、その守備を壊す攻撃を仕掛ける必要がある。守備で対抗しても勝ち目がない。攻守のメリハリをつけ、攻撃の時はしっかりと点を取る。しかし、その攻撃で「自分が焦ってしまったのが一番の原因」と、大事なポイントでミスが出た。

 錦織は、上位の選手に敗れた後、敗因に「尊敬しすぎた」と話すことがある。相手が強いと思いすぎ、決めないとやられると、余計なことを考えるということだ。この日も、その意識が少し顔をのぞかせた。

 しかし、3日に終了した米マイアミで行われたマスターズでは自身2度目の決勝進出。今大会も3年連続で決勝に進んだ。「この敗戦から学んで、次はナダルに勝ちたい」。大舞台で2大会連続での準優勝。しかし、挑戦を続ければ、その壁はいつか破れる。