世界6位の錦織圭(26=日清食品)が、降雨に水を差されながら、2日がかりで4大大会区切りの通算50勝目を挙げた。同115位のシモーネ・ボレリ(イタリア)に6-1、7-5、6-3でストレート勝ち。2回戦では同40位のクズネツォフ(ロシア)と対戦する。

 2日がかりの試合に、最後はエースでけりをつけた。2日とも降雨と気温12~13度の寒さの中での試合に、錦織は勝ってほっとした表情を見せた。再開後、わずか6ゲームを戦っただけで、ウィンブルドンで2度フルセットを戦った相手を葬った。

 錦織 (2日がかりで)初戦からすごく長かった。昨日は終わったのも遅くてリカバリーが難しかった。風が強くてやりづらかったが、いいプレーができた。

 前日の第1セットは、たった1ゲームしか落とさずに圧勝した。第2セットも3-0とリードしたが、少し気が抜けた。ただ、もつれた第2セットを7-5で奪うと、2-1から再開となった第3セットも、前日の勢いを失わずに押し切った。大会前に「赤土では自信がある」と話したとおりの快勝だった。

 ボレリとの試合は何かしらトラブルが付きまとう。14年ウィンブルドン3回戦では降雨のため開始が遅れ、日没のために3日がかりでフルセット勝利。15年ウィンブルドン1回戦では、大会前に痛めた左ふくらはぎがフルセットを戦ったことで悪化。2回戦を棄権した。今回もストレート勝ちだが、雨にたたられた。

 この日の勝利で4大大会通算50勝目を挙げた。まだまだフェデラーが持つ302勝の世界歴代最多にはほど遠いが、日本勢では2位の佐藤次郎の32勝を大きく引き離し、断然のトップを走る。次戦の相手は40位のクズネツォフ。10年のウィンブルドン前哨戦で、途中棄権ながら敗れている相手だ。しかし6年前とは実力が比べものにならない。錦織は「直すところもあるので、次に向けて調整したい」。4大大会51勝目から、新たに歴史を刻む。【吉松忠弘】

 ◆錦織 4大大会勝利数

  全豪オープン 20勝7敗

  全仏オープン  9勝5敗

  ウィンブルドン 8勝6敗

  全米オープン 13勝7敗

 ◆4大大会勝ち星メモ 日本のトップは50勝の錦織だが、世界では上には上がいる。通算勝利数の世界歴代トップは、今大会、腰痛で欠場したフェデラー(スイス)の302勝。2位は233勝のコナーズ(米国)、3位はアガシ(米国)の224勝となっている。