国際テニス連盟(ITF)は、29歳のシャラポワ選手に2年間の資格停止処分を下した。練習法や用具の進化で選手寿命が延びているのは間違いないが、今後スポーツ仲裁裁判所(CAS)へ提訴する道があるとはいえ、最盛期にプレーする機会を失うことになれば選手生命の危機に立たされることになる。

 世界反ドーピング機関(WADA)は3月1日以前の検査で検出量が微量だった選手は処分しないとの新基準を4月に発表したが、それには該当しないとの判断だ。1月に禁止リスト入りした後にメルドニウムを摂取していた事実は明らかで、意図的ではなかったとして最大4年の処分は免れたが、さらなる処分の軽減は厳しい見通しだ。

 3月の記者会見で現役続行の意思を明確に示した「テニス界の妖精」の先行きには、険しい道が待ち受けることになる。