競泳女子のリオデジャネイロ五輪代表で、東京・淑徳巣鴨高1年の池江璃花子(15=ルネサンス亀戸)が日本代表として史上最多となる7種目に挑戦する。日本水連の上野広治強化本部長(57)が27日に発表したもので、4月の日本選手権で出場権を得た100メートルバタフライ、400メートルメドレーリレー、400、800メートルリレーに加え、50、100、200メートル自由形にもエントリーする。昨秋から5度の日本記録を出した伸び盛りの15歳が多種目に挑む。

 15歳が未知の領域に挑戦する。100メートルバタフライとリレー3種目の出場権を得ていた池江は、50、100、200メートル自由形にもエントリー。13年世界選手権で萩野公介が7種目に出場したが、五輪では過去に例がない。7種目で決勝に進むと8日間で18レース。過酷だが「タフなレース。若さパワーで頑張りたい」と恐れるどころか、待ち遠しそうに笑みを浮かべた。

 日本水連は若さと勢いに懸けた。昨年10月から100メートルバタフライ、50、100メートル自由形で計5回の日本記録をマーク。26日の東京都高校選手権でも100メートル自由形で53秒69と、昨年世界選手権では6位相当の日本新記録を出した。日本水連の上野強化本部長は「まだまだ記録を伸ばす。伸び盛りで可能性を秘めているし、東京五輪にもつなげてほしい」と期待を込めた。

 この日は在籍する淑徳巣鴨高水泳部の壮行会に出席した。壮行会前には同校の1年先輩で日本代表の長谷川とともに徳川家康が祈願した仏像のある都内の増上寺で必勝祈願。寺院内にある笹の葉に「リオで日本新・決勝進出 東京で金メダル」と願いを書いた短冊を結んだ。底知れぬ15歳に、常識を超えた期待がかかっている。【田口潤】