イタリア1部リーグのラティーナでプレーすることが決まったバレーボール男子の石川祐希(20=中大)が8日、都内の中大で行われた会見に出席し、「リオ五輪には出場できなかった。2020年東京五輪に向けた再スタートにしたい」と決意を表明した。

 14年シーズンに同リーグのモデナでプレーし、「高さもパワーも、日本では味わえないものがあった」と言う。海外でプレーすることの大切さを肌で感じ、帰国後も再挑戦のチャンスを探していた。

 6月上旬まで行われたリオデジャネイロ五輪の世界最終予選が始まる前にはフランスやドイツといった複数の国のクラブからオファーが届いていたが、日本代表での活動に集中するために断っていた。

 今回のオファーが届いたのは世界最終予選の後。本大会への切符は逃したが、初戦で対戦したベネズエラ代表監督の目にとまった。同監督は今季からラティーナで指揮を執ることが決まっており、「石川を獲得したい」と直接の誘いがあったという。石川は今年3月に学生日本代表としてラティーナと練習試合も行っている。不思議な縁を感じるというチームでのプレーが決まった。

 20年東京五輪での目標は「常に一番上」と言い切る。「そのためにやらなければならないことがたくさんある」と繰り返した。海外経験もそのひとつ。「リオ五輪に出られなかったダメージは大きい。今のままでは勝てない。なにか行動を起こさないと。海外にいったり、自分が先頭にたってやっていければ」。はたちにして、すでに日本代表のエースの自覚が生まれている。

 力試しだった前回とは違う。「試合に出ることが大前提。だけど保障はない。プロはシビアなので、気持ちを強くもって臨みたい」と力強く話した。イタリアでのプレーは12月の全日本大学選手権終了後から約3カ月間。東京五輪でのメダル獲得へ、期待を背負うホープが、再び海を渡る。