国際オリンピック委員会(IOC)で2020年東京五輪の追加種目が決まり、日本国内でも各競技団体が4日、記者会見を開き、喜びが広がった。

 2人の美しき空手家が東京を盛りあげる。「空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ」として看板役を背負ってきた組手68キロ超級の植草歩(24=高栄警備保障)は都内での会見に出席し「ほっとした一方、責任も感じます」と顔を引き締めた。

 14年世界選手権で銅メダルを取ったのをきっかけに愛くるしいルックスから「きゃりー」として注目されるように。実力ではない部分で有名になることを「悔しい」と感じていたが、それをバネに昨年の全日本選手権で初優勝。今は「注目されてより勝ちたいと思えるようになった。成長させてもらった」と感謝する。4年後は重量級にエントリーする予定で、世界中の大型選手を相手に金メダルを狙う。「筋肉で体重を上げていって、大きな選手にスピード、フィジカルで負けないようにしたい」とパワーアップを誓った。

 もう1人の顔は、りんとしたたたずまいから「空手界の綾瀬はるか」といわれる、形の清水希容(22=ミキハウス)。美しい動きで14年世界選手権を制した現女王。常に「すべてを見られている」と360度から見た姿勢や動きに気を払うまさしく“女優”だ。「気持ちを出せるのが強み」と迫真の演技で東京の主役を狙う。【高場泉穂】

 ◆今後の取り組み 形は、勝敗の判断基準を分かりやすくするため、旗判定から採点方式へ変更する予定。組手は現在の男女5階級から3階級(軽、中、重)に絞られるため、体重の線引きで、各国の意見が分かれる可能性がある。今年10月のWKF総会で決定される。

 ◆空手競技メモ 日本発祥の武道で形と組手がある。世界空手連盟(WKF)には192の国と地域が加盟し、愛好者は1億人以上。形は1対1で演武の正確さ、バランスなど諸要素を総合的に競う。WKFが定めた90種の形から1つを演武する。1つの大会で同じ形を2度演じることはできない。現在は5人の審判による旗判定で勝敗を決定。組手は寸止めで技の攻防を行い、得点を競う。