リオから受けた刺激を平昌(ピョンチャン)へ-。リオデジャネイロ五輪閉幕翌日の22日、ソチ冬季五輪男子フィギュアスケート王者の羽生結弦(21=ANA)が、18年平昌五輪での「いい色の」メダルを宣言した。

 この日は、都内で行われた自身の記録のギネス世界記録公式認定書授与式に出席。昨年12月のグランプリシリーズ(GP)ファイナルでマークした、ショートプログラム(SP)の110・95点、フリープログラムの219・48点、合計の330・43点の3つの世界記録があらためて認定され、「ギネスというのは常に更新し続けなくてはいけない、更新するための情熱の元。自分自身もどんどん進化しつづけなきゃいけない」と決意を語った。「リオ五輪では合計41個のメダルがあり、僕もそれに続いてがんばらないといけないと思った。金メダルは12個。団体、ペア、個人…、1つ1つの競技が心に残り、僕自身もこの記録をさらに更新し続けて、いいメダルを、いい記録を持ってこないとと思いました」。リオでの日本選手団の活躍を受け、2大会連続メダルへの思いを募らせたようだった。

 世界選手権が終わった4月頭から左足リスフラン関節靱帯(じんたい)損傷で2カ月間氷上を離れ、6月から練習を再開した。「最初は1回転もせずにただスケーティングの練習」だけだったのが「今はジャンプもできるようになってきた。もとに戻ってきた」と順調に回復していることを明かした。

 今季のSPは過去2シーズン使用したクラシック曲から一新。新たなジャンルに挑戦する。「すごくテンポの速い、かっこいいような曲で滑ろうと思っている。楽しみにしていただきたい」。フリーについては「まだ発表できません、ごめんなさい」と笑顔で質問をかわした。

 五輪プレシーズンとなる今季の目標は「ピークの持っていきかた」だ。「五輪は僕たちの最大の目標。2月に行われるので、そこに合わせた調整を今季からやっていきたい」。12月にあるGPファイナルでいい演技をし、3、4月にある世界選手権で銀メダルに終わることがここ2シーズン続いていた悔しさもある。「調整がうまくいかないことが多くなっているので、それが今季1番やるべきこと」と話した。

 「今回(昨季)GPファイナルの点が認定されましたけど、この演技以上のことを毎回毎回の試合でできるように精度をあげていきたい」。故障から復活したばかりにもかかわらず“王者羽生”はらしさ全開だった。