19年のスター候補が飛び級デビューを果たす。ラグビーのトップリーグは明日26日に開幕する。4連覇を目指すパナソニックは24日、初戦のヤマハ発動機戦(東京・秩父宮)のメンバーを発表。10日に加入が発表された筑波大4年のSO山沢拓也(21)が先発入りした。日本代表前ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏が、19年W杯日本大会で代表を担う存在として名を挙げた大器が、大けがを乗り越え、日本最高峰の舞台に立つ。

 王者の初戦の司令塔は、約2年近く公式戦から離れた筑波大生に任された。昨季まで絶対的存在だった元オーストラリア代表バーンズをCTBに押しのけた形となった山沢は約1時間の練習を終え、「久々の公式戦。楽しみ半分、不安半分です」と照れ笑いした。

 筑波大では前十字靱帯(じんたい)断裂など左膝の大けがを2度負い、満足にプレーできなかった。それでもフランスの強豪ラシンメトロへの留学話が持ち上がるほど能力は高く評価されてきた。そんな中、埼玉県内の実家から近く、リハビリなどの環境も整うパナソニック入りを決断。「守るのではなく、思いきりやりたい」と目を輝かせた。

 今でも左右の膝は可動域が異なるが、故障再発への不安は解消されつつある。バーンズからトレーニングについて「納得いかないからといって続けず、最初から決めた数を集中するように」と助言を受け、昨冬から3キロの増量に成功した。かつてスーパーラグビーのクルセーダーズ(ニュージーランド)を7連覇に導いた名将ディーンズ監督に「天からの贈り物」と言わしめる才能。長い沈黙を経て、再び開花する時がきた。【岡崎悠利】