ラグビーのトップリーグが今日26日、パナソニック対ヤマハ発動機(秩父宮)、サントリー対近鉄(ヤンマー)の2カードを皮切りに開幕する。今月のリオデジャネイロ五輪では7人制日本代表が4位と大健闘。主将を務めた桑水流裕策(30=コカ・コーラ)ら12人の戦士が、今度は15人制の舞台で暴れ回る。

 福岡市内にあるコカ・コーラのクラブハウス内は昨今、五輪の話題で持ちきりだった。「有名人に会った?」「ボルトは?」。身長189センチのフランカー桑水流を中心に話が盛り上がる。優勝候補ニュージーランドを破り、五輪4位入賞を支えた男。その桑水流は自らの使命を言葉にした。

 「去年、15人制がW杯でラグビーブームを起こしてくれた。それを7人制で加速させられた。持続させるのはトップリーグです」

 ブラジルからの帰国は今月14日。7人制代表は2週間足らずで、トップリーグ開幕を迎えることになった。桑水流はこの日、都内で行われた日本選手団解団式に出席。全体練習参加は5日に満たず、明日27日キヤノン戦(熊本・うまスタ)出場を見送ったが「熊本は震災を受けた地域。コーラのエリア内だし、我々が勝って勇気を与えたいです」と思いを仲間に託した。

 全国各地では、7人制メンバーが15人制への対応を急ピッチで進める。「相手が重いんですよね」。そう笑う桑水流も15試合の長丁場を戦いつつ、体重4キロ増の100キロ到達を目標に定める。「ニュージーランド戦は本当にいい準備をして、いい気持ちで戦いに臨めた。チームにもそこを伝えたい」。12人の戦いは第2章に突入する。【松本航】