スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズが、次期ヘッドコーチ(HC)としてリオデジャネイロ五輪7人制男子で初代王者となったフィジーを率いた英国人のベン・ライアン氏(44)と交渉を進めていることが26日、分かった。昨季、SRに初参戦したサンウルブズは1勝で全18チーム中最下位に終わった。ニュージーランド出身のマーク・ハメットHCはすでに退任し、複数の候補者を挙げて交渉している。

 ライアン氏は15人制では国代表やSRのチームを率いた経験はないが、07~13年は7人制のイングランド代表のHCを務め、13年6月の7人制W杯では20年ぶりの決勝進出を果たした。リオ五輪では、ダイナミックな走りと型にはまらないラグビーで、フィジーを五輪初参加から60年で全競技を通じて初の金メダルに導いた。SRのニュージーランドのクラブなどからもオファーを受けている。日本協会関係者によると年俸など条件交渉が続いている。

 昨季、SRに初挑戦したサンウルブズは、参入にあたってはハメット氏のHC就任が決定する前に選手にオファーが届くなど、開幕に間に合わせようとするあまり体制にいびつな面があった。協会は今季はHCを先に決定するとしており、迅速に選手を確保するために新体制の決定を急いでいる。ホームで同じ新規参入のジャガーズ(アルゼンチン)から白星をもぎ取った昨季以上の勝利が求められる今季、五輪金メダルの知将を候補の1人として交渉を継続していく。