4月に右肩再生手術を受けたアーチェリーの五輪メダリスト(84年ロサンゼルス銅、04年アテネ銀)の山本博(53=日体大教)が、競技復帰した。

 「招待選手」としての出場のため順位はつかなかったが、全体の2番目に相当する649点をマーク。順調な回復ぶりに「手術した右肩の痛みがまったくない中でプレーできてよかった」と完全復活へ手応えをつかんだ。

 3月の検査で右肩腱板(けんばん)の棘(きょく)上筋の断裂が判明した。手術を回避する選択肢もあったが、「3、4年間痛みに耐えてきて、手術するしかしないかは非常に悩んだ。しかしながら2020年東京オリンピックを目指すためにはこのタイミングしかないと思って、思い切って踏み切った」という。

 リハビリ期間を1カ月前倒ししての実践復帰だったが、「この肩の調子なら無理もききそうだ。鍛えがいがある」と不安はなくなった。今後は10月22日開幕の全日本選手権で全国大会に復帰する。「当面は全日本に向けて厳しい練習に耐えていく。来季からはがんがんスコアを出していきたい。その先はもちろん東京オリンピックを目指して頑張りたい」と、言葉にも気合がこもっていた。