空手家でタレントの角田信朗(55)が、国内最高峰のマスターズボディビル大会で準優勝に輝いた。

 18日、石川県金沢市で「第28回 日本マスターズ選手権大会」が開催された。角田は男子マスターズ50歳以上級75キロ超級に出場し見事、表彰台に上がった。

 銀メダルを首からさげた角田だが、満足する様子はなかった。「2位は負けと同じです。正直、悔しい。ただ表彰台の課題はクリアしたので頑張った自分に合格点をあげたい」。

 昨年9月のグアム親善大会に初出場初優勝から1年経った。今年7月の「男子大阪マスターズボディビル選手権」3冠に続き、今大会でも準優勝。進化する肉体でまた1つ、勲章を手に入れた。

 有言実行だった。今大会前「最低でも3位以内の表彰台。入賞(6位以内)だったら僕の負け」と自らにカツを入れた。

 角田以外は競技歴10年以上の猛者ばかりだった。「お化けみたいな、すごみのある選手がいるのが日本マスターズ」と角田は気を引き締め、事前準備に着手。経験不足を補うため2度の合宿を敢行した。

 弱点の肩と胸回りの筋肉をビルドアップし「死にもの狂いで、これ以上やると(筋肉が)切れるというぐらいに鍛え上げ、1・5キロ増えました。経験不足は頭で補うしかない」と解剖学に基づきポージングを徹底研究。他の出場者の映像も分析し、効果的に体をより大きく、より美しく見せるポージングを体得した。

 「予選最後のポーズ。アブドミナル アンド サイは今の自分の仕上がりの中で一番の見せ場」と自信をもって臨んだ。

 同階級には10選手が出場した。予選審査を無事通過した角田は「最後の順位が決まるまで力を出しきります。決勝では進化したフリーポーズをもって場内を魅了したいと思います」と気合を入れ直して決勝審査へ向かった。

 決勝の大一番では「いかに美しく観客の心をうつ見せ方が出来るか」を考えながら空手ポーズを披露した。

 「今までは空手の形を覚え順番通りに行ったレベル。今は真剣勝負で刀を抜き、相手を一刀両断し、最後は刀をさやにカチッと収める」。イメージ通りのパフォーマンスを決めた。会場からは大きな拍手が送られた。

 ボディビル歴1年で日本2位まで上り詰めた。「ここで優勝したら、ボディビルを甘く見ていたかもしれません。これで来年の目標が明確になりました。来年はこの大会で優勝して、世界マスターズに日本代表に選ばれる事です。引き続き応援よろしくお願いします」。角田が来年へ向け、日本一奪取を宣言した。

 なお、優勝は林勇宇さん(55)が2連覇を達成した。