リオデジャネイロ五輪女子シングルス銅メダリストで世界ランク3位の奥原希望(21=日本ユニシス)と、同11位の山口茜(19=再春館製薬所)が、そろって2回戦を危なげなく勝利した。23日の準々決勝で、五輪の準々決勝に続く対戦が決まった。両者は勝敗以上に「リオ再戦」を盛り上げ、バドミントンの魅力を伝えることを誓い合った。

 奥原が登場すると異例の事態が起こった。一番端のコートで試合があることを知った観客が、間近で観戦するために大移動。奥原も「あんなこと初めて。サインを求める数だったり、手を振ってくれる人数だったり、メダル効果ですかね。力になっています」と驚いた。世界ランク46位の陳雨菲(中国)にわずか41分でストレート勝ち。正確なストロークや、粘り強い守備力で、実力を披露した。「次は皆さんが期待しているリオ五輪の再戦。私の我慢するプレー、茜ちゃんの意表を突くプレー。勝ち負けよりも、お互いの持ち味が出る試合になればいい。楽しんでもらえると思う」と見どころを語り、勝負以上に盛り上げ役をかって出た。

 山口は初対戦だった同27位のゼッチリ(ブルガリア)を30分で退けると「奥原さんには1回も勝ったことないので…」と切り出した。「何か変化をつけたいとは思うけれど、考えても分からないので、開き直ってがむしゃらに。さすがに(得点が)1ケタだと盛り上がらないので2ケタは」と苦笑い。「1人でも多くの人に見に来てもらって、バドミントンの魅力を伝えたいです。楽しくやれたら一番いい」と決意した。

 奥原も、山口も、日本のファンも楽しみにしていた「奥原VS山口」のリオ再戦が実現する。高橋、松友組の女子ダブルス金メダルを含めた激戦から約1カ月。注目度の高さは、1階席の早期完売だけでなく、昼間から3階席にまで及ぶ5850人の観衆が証明した。20年東京五輪へ向けた人気競技にするために、このチャンスを逃すわけにはいかない。