20年東京五輪・パラリンピックの開催費用などを検証している都の調査チームが、競技会場として整備する3施設の建設中止を含めた抜本的見直しを提案する方針であることを受け、スポーツ界や大会組織委員会では28日、戸惑いや不信感を募らせる声が上がった。

 見直し対象とされたのはボート、カヌー・スプリントの「海の森水上競技場」とバレーボールの「有明アリーナ」、水泳の「五輪水泳センター」。日本カヌー連盟の山口徹正専務理事は「都とは後利用の検討に入っていた。寝耳に水」。日本ボート協会の平岡英介理事は代替会場候補に浮上している宮城県の長沼ボート場はアクセスや宿泊などが課題とし「短期間の調査で不十分ではないのか」。日本バレーボール協会の荒木田裕子女子強化委員長は「レガシーを考えてあれだけ議論したのに、お金だけの理由で(計画が)変わっていくのは残念」とした。

 3会場とも昨年国際オリンピック委員会(IOC)から会場として承認を得ており急な変更となれば影響は大きい。調査チームから聞き取りを受けた日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「アスリートファーストを考え、IOCや各競技の国際連盟の理解を得てきたと説明した」と困惑していた。