ラグビー日本代表でトップリーグ神戸製鋼のフッカー木津武士(28)が29日、「技巧派な自分」をアピールした。

 10月1日豊田自動織機戦(大阪・万博)へ神戸市内のグラウンドで約1時間半の調整。「自分たちのラグビーが形になってきている」と手応えをにじませた。

 大きな収穫は前節17日のトヨタ自動車戦。木津はSHからのパスを受け、突っ込む姿勢を見せながら、とっさの判断でSOへのパスへと切り替えた。FW、BKの連動はジム・マッケイ新ヘッドコーチ(HC)が掲げるラグビーを象徴するシーンだ。木津は「僕、ああいうちょこちょこパスするの好きなんで、どんどんパスします。もちろん縦を突かないと(自分で当たりにいかないと)いけないところもありますが」と無邪気に笑った。

 木津といえば、強靱(きょうじん)な体を使ったコンタクトプレーが代名詞。中学3年時は大阪の相撲大会で無敵を誇り、現在の角界にも顔見知りがいる。先日の秋場所で13勝を挙げた2歳年下の遠藤(25=追手風)もその1人だ。遠藤の地元石川での合宿も多く、小学生時代の遠藤と対戦の機会もあった。「年下やのに『強いな~』と」。勝敗はというと「さすがに負けてはなかったはずです…。ギリギリ勝っていたと思います」。続けて「あの頃の1年、2年の差は大きいんです。なんか『負けたことない』って言ったら、調子乗ってるじゃないですか」と自虐でオチをつけ笑いを誘った。

 そんな豪快な男がパスにも意欲満々。相手にとっては嫌らしい存在になるはずだ。「相手どうこうよりも、先週、今週とやってきたことを出せるようにしたいです」。3位からの浮上へ、突き詰めるのは自分たちのラグビーだ。