静岡県バスケットボール協会の川村修会長は29日までに、同協会の鈴木勝副会長が、強硬に代議員会を開催しようとしているとして、静岡地裁沼津支部に代議員開催禁止の仮処分を求める申し立てを行った。

 現実に臨時代議員会は、10月2日に静岡市内で開催予定で、同協会の中島洋己広報委員長も「万難を排して執り行います」とコメント。会長側は、106人の代議員に申し立ての事実を伝えた上で、臨時代議員会に出席しないように要請した。

 取材によると、同協会は今年3月から分裂状態にある。同月に開かれた代議員会では、一般社団法人移行後も引き続いて川村氏を会長にするなど、25人の理事の名前が入った役員案が示された。だが、その後に会長側が新法人への移行手続きについて「法令上の違反があり、無効」と訴え、事務局側と対立し始めた。定款案に必要的記載事項とされる「設立時社員」が記されていないことに、会長側が気付いたためだった。設立時役員案についても「設立時社員が選任することになっているので無効」と断じた。

 今月9日の理事会には、会長に近い杉山明宏副会長が出席。協会の基金約5000万円について「一部の役員が公金を返還せずに築いた資金」とし、県や静岡市に返還する方針を示した川村会長名の宣言書を配布して退席した。対して事務局側は同日付で、役員案などを決める代議員会の招集を川村会長に文書で要請。応じない場合は、協会定款第8条の「会長事故あるとき」として、副会長に会長代行を依頼して代議員会を招集する旨を伝えていた。

 一方で、川村会長は「事故あるときは病気・事故で職務を務められないときのこと」で、そのような状態にはないと反論している。