関西協会との交流の一環でニュージーランド・カンタベリー協会のカール・ハンコックス氏(29)が主審を務めた。今年初めて関西協会が行ったレフェリー交換の事業で、7月に日本人レフェリーをカンタベリー協会に派遣。逆にハンコックス氏を含む2人が来日していた。

 試合は大きな問題なく進行。カンタベリー協会で10番目あたりの“実力”というハンコックス氏は「日本のレフェリーは常にいいポジションにシフトして、常に正確な判断をしようとする印象。ニュージーランドは1歩引いて、全体を眺めながらジャッジする」と両国の違いを説明した。大学ラグビー主審の経験に感激し「素晴らしい取り組み。いろいろな人と出会って、いい経験ができた」と感想を語った。

 実際にジャッジを受けた、両チームからも肯定的な意見が相次いだ。同大山神監督は「どんどんやってもらって、そこから日本人がどう学ぶか。選手、レフェリーの両方が良くならないとレベルが上がらない。向こうに行った(日本人)レフェリーが何を感じたかも教えてもらいたい」。摂南大のフランカー寺沢主将も「いいと思いました。タップ(ペナルティーから再開時のキック)を厳しく見られたぐらいで、後はいつも通りにできました」と選手目線で振り返った。

 今回は関西協会のレフェリー委員会から要望があり、関西協会本部がそれを許可する形で交流が実現した。同協会の坂田好弘会長(74)は「こういう交流をつなげていきたい。1人が向こうに行って、こっちに帰ってきて変えようとするのは難しい。1年に2人行けば、5年で10人になる。そういう(他国での経験をした)人が増えていけば。1人の力で変えるのは難しいけれど、やらないよりはスタートした方がいい」と今後の継続にも意欲的。今季からリーグの冠スポンサーに株式会社ムロオがついた。坂田会長はムロオを含むスポンサーに感謝の言葉を口にし「このような事業のためについてもらっている。これから国際ゲームを経験する選手も多い。このような交流は大事だと思う」と力を込めた。