オルドスに新加入した平野美宇(16=エリートアカデミー)が、開幕戦の八一戦で黒星デビューも、大善戦した。第2試合のシングルスに登場し、昨年の世界選手権蘇州大会シングルス3位の木子(中国)にフルゲームの接戦。張薔と組んだダブルスも敗れたが、W杯史上最年少優勝の実力を随所に示した。今後は11月20日まで10試合に参戦予定。20年東京五輪へ向けた武者修行が始まった。

 平野が世界最高峰リーグに大きな1歩を踏み出した。シングルスの相手は世界選手権で石川佳純に完勝した相手。だが、物おじすることなく第1ゲームを先取。第2ゲームは17-19で失ったが、フルゲームに持ち込んだ。試合も1-3で敗れたが、鮮烈なデビューを飾った。「勝つチャンスがあっただけに悔しい。相手の頭の回転の速さと、自分のレシーブの判断ミスが出た。そこが中国との差かなと感じた」。成長へ貴重な1敗だった。

 昨年9月、リオ五輪代表権をつかめなかった挫折が転機となった。「東京もどうでもいいやという気持ちになった時もあった」。同10月に新任した中沢鋭コーチと「フォアで世界に勝とう」を合言葉に、筋力トレーニングも強化。今年1月の全日本選手権では史上最年少で決勝進出。4月にはポーランドオープンでワールドツアー初制覇。バックアップとして同行したリオの悔しさをバネに、帰国後は「東京では金メダル」と堂々と宣言。心身の成長は同学年の伊藤を上回る。

 次戦は19日に内モンゴル自治区の本拠で山西戦。「今日の反省を生かして勝てるよう頑張りたい。自分が相手を圧倒できる力をつけていきたい」。未知の地、言葉、食生活、長距離移動での連戦。すべての経験が、東京への基盤となる。

 ◆中国スーパーリーグ 95年に中国卓球リーグが発足し、00年にスーパーリーグ設立。04年に四元奈生美が北京チームで初参戦。続いて福原愛が05年に遼寧省、06、10、11年に広東省チームで出場。省や市を本拠地とした男女各10チームによるホーム&アウェー方式で戦う。シングルス2試合に続いてダブルス、その後シングルス2試合を行い、先に3勝した方が勝利する団体戦。今季は今月15日に開幕し、12月25日が最終戦。昨年は北京が優勝。