ラグビー日本代表のSH田中史朗(31=パナソニック)に、フランス1部リーグ「トップ14」の昨季覇者ラシン92など同リーグの複数チームからオファーが届いていることが26日、分かった。田中はスーパーラグビー(SR)に日本人で初めて出場したが、欧州リーグの経験はなく、新たな可能性が広がった。

 トップ14は8月から翌年6月にかけて行われ、現在シーズン中。挑戦の場合は国内トップリーグ終了後の2月からとなる見通しだ。同リーグの強豪トゥーロンにはFB五郎丸歩(30)も所属しており、移籍すればフランスで直接対決が実現する可能性もある。

 田中は昨季まで4シーズンにわたり、現日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、46)が監督を務めたSRハイランダーズ(ニュージーランド)でプレー。15年シーズンには優勝も経験した。今季も獲得を打診されていたが、チームが3人までと定める外国人選手枠が埋まったため断念。それを知ったフランスのチームからオファーが続いた。田中にはSRの日本チームであるサンウルブズからもオファーが届いているとみられ、争奪戦の様相を呈している。

 ◆トップ14 1892年に発足したフランス最高峰リーグ。シーズンは8月から翌年6月にかけて。第1次世界大戦と第2次世界大戦の影響で中止された1915~19年と40~42年を除き、毎年行われている。14チームによるホームアンドアウェー方式の総当たり戦で1次リーグを行い、上位6チームがプレーオフトーナメントで優勝を争う。下位2チームは下部リーグに降格する。