野獣の結婚は覚悟だ。1日に結婚した、リオデジャネイロ五輪柔道女子57キロ級銅メダルの松本薫(29=ベネシード)が2日、都内で結婚報告会見を行い、自身の結婚観を語った。

 「結婚=ハッピーではなく覚悟です」。この発言は、会場に集まった21社約70人の報道陣をうならせた。帝京大の後輩の紹介で知り合った料理人(29)と8年間交際し、交際記念日で大安でもあった1日に婚姻届を提出した。「私の中では結婚=覚悟です。(夫と)老後や介護、最後まで寄り添えることができるかということが結婚と考えていたため8年かかりました。浮気したら離婚です」と、真剣な表情で語った。

 今年4月4日に「俺には薫しかおらん、薫には俺しかおらん」とプロポーズされた。松本は「はい」と即答したが、リオ五輪も控えていたため「入籍日は改めて考えさせてください」と返答。容姿は「さわやかボーイで鼻が高い。鳥に似ている鳥人間です」と、照れながら手書きのイラストを披露した。たまたま、夫の名字も松本だったため、結婚後も「松本です。変わりません」と報道陣の笑いを誘った。

 8年間交際すれば、衝突もあった。けんかは特に合宿や大会前に多かった。「『頑張れ』とだけ言われて、『頑張れって言わないで』とお願いしたのに、その翌日には『ファイト』と言ってきた。小さいことですが、イラっとしました」。

 野獣の異名を取るが、父賢二さんが料理人であることから実は料理が得意だ。賢二さん直伝のマーボー豆腐は絶品で「彼もおいしいと言ってくれます」。毎日、夫が朝食、松本が夕食の担当という。「アスリートなのでメニューは自分の健康面を一番に考えている。そのため、少しずつ、彼も健康的になっています」。現役アスリートという観点から、常に自身の体の状態などをみているため、結婚しても「自分中心」の生活という。

 リオ五輪後、当面の間は休養予定で「女性なので子どものことも考えています。2人ほしいし、この間にできれば」と妊活宣言し、「東京五輪は『ママでも野獣』、できなかったら『妻でも野獣』を目指します」と意気込んだ。挙式・披露宴は未定で新婚旅行は「柔道着を持たずに、海外できれいな所へ行きたいな」と笑みを見せていた。

 結婚報告は、事前に親交のある吉田沙保里や福原愛らには連絡していたという。【峯岸佑樹】