2020年東京五輪・パラリンピックの3会場見直し問題を議論する国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会、東京都、政府による4者の作業部会が27日、都内で行われ、6時間超に及ぶ議論が交わされた。非公開の会議に出席していた関係者によると、東京都案としてバレーボール会場に急浮上していた「国立代々木競技場」は議題に上がらなかったという。事実上、代々木案は消滅したとみられる。

 一方で会議終了後、会見したIOC五輪競技大会エグゼクティブディレクターのクリストフ・デュビ氏は、各会場の選択肢が1つに絞られたのかどうか、具体的な結論には言及しなかった。「29日に、政治的リーダーの方に(検討した結果を)紹介することになっている。最終的な結論は、さまざまな内容を検討して政治のリーダーが決めることだ」と何度も強調した。

 森喜朗組織委員会会長や小池百合子都知事らが出席して行われる29日の会議に結論を示し、その上で結論が出されるとの見方を示した。「決断をするのは、政治リーダー。私たちは政治リーダーの決めたたことに従う」とも述べた。

 会場を選ぶ際のポイントとして「アスリートに何がいちばんいいのか、経済的な面、レガシーの面で、考えていかなければならない。これらの基準に基づいて何がいちばんよいのか、ベストを尽くして検討している」と強調。

 カヌー・ボート会場候補の宮城県の長沼ボート場や、有明と横浜に加え、国立代々木競技場での開催案が浮上したバレーボールの会場に関する質問も出たが、デュビ氏は「すべてのオプションを検討した。今、私がコメントすると思惑が出るので、申さない」と言葉を濁した。

 29日の4者協議で結論が出なかった場合の対応に関する質問も出たが、「4人のリーダーが決めること。我々は、できるかぎり情報を提供する義務を持っているだけだ」と述べるにとどめた。

 「私たちは詳細な情報を集めることはできた。会議の大部分は、メディアに公開される。そのときに、皆さんにも聞いてもらえると思う」と主張した。