早大が逆転で初の2年連続関東制覇を飾った。6戦全勝だった慶大が28-34で1敗だった法大に初黒星を喫し、同じ1敗の早大は日大に27-0で完封勝ちした。この結果、3校が同勝ち点で並んだが、3校間の得失点差により、早大が4度目の優勝となった。早大は12月4日の全日本大学選手権東日本代表校決定戦で、決勝の甲子園ボウル出場を懸けて東北大と対戦する。

 試合前練習の目の前で、優勝に王手をかけていた慶大が負けた。法大は1敗を守ったが、点差は8にとどまった。早大はすでに得失点差で優位だったため、日大に勝利が逆転優勝の条件になった。浜部監督は「法大が勝ち、うちも勝つと信じていた」、QB笹木は「最高のテンションになった」と言う。

 雨中戦で一進一退から、第1Qに秘策で先制した。QBがWRに入るワイルドキャット隊形からリバース。WR遠藤が65ヤード独走してTD。守備はDLを1人しか置かないシステムでかく乱した。その後は決定力を欠いたが2FGを追加。第4QにRB片岡の50ヤード、須貝の16ヤードと2TDランを追加。反撃も許さずに日大からは66年ぶりとなる完封勝ちを収めた。

 慶大には2年連続で敗れた。浜部監督は「慶大には監督人生で最悪の負け方だった。慶大の選手が喜んでいる姿を見て、もっと楽しもうと思い出した」と言う。その後の法大、日大戦では再三スペシャルプレーも駆使し、守備も新システムを採用が奏功した。

 OL松原主将も「慶大に負けたことで立ち返って、日本一への覚悟話し合った。その結果、チームも1つにまとまった」と話す。今季8TDでリーグ戦MVPになったRB須貝も「早慶戦がいいきっかけになった」と振り返る。

 昨年は甲子園ボウルで立命大をあと1歩に追い詰めた。過去3度の出場で白星はない。ライバルに敗戦をバネに、次は悲願の大学日本一を目指す。