関西大学ラグビーで4年ぶりの優勝を目指す天理大が30日、奈良・天理市内のグラウンドで約2時間の練習を行った。

 12月3日の最終節で同じ6戦全勝の同大と直接対決(京都・西京極)を控える。勝つか、引き分けで優勝(6勝1分け同士の場合は全試合の総得失点差)。負ければ相手の2連覇を許す戦いに向け、練習後にはプロップ山口知貴主将(4年)が「あと3日!」と味方を鼓舞した。

 盤石の準備が整いつつある。この日は今年の武器であるスクラム練習に時間を割き、8人一体のまとまりを再確認。小松節夫監督は「たまにはこういう(FW主体の)ラグビーもいいでしょう」と穏やかに笑った。日本代表CTB立川理道らを擁し大学選手権準優勝を果たした11年度は、トップリーグに数多く進む豪華BK陣が全国のファンの注目を集めた。それが今季は一変。FW自慢の京産大からスクラムトライを奪うなど、同大撃破、日本一に向けて新たな武器が備わっている。

 昨季は6勝0敗で最終節を迎え、5勝1敗だった同大に10-13で惜敗。同じ6勝1敗で全日程を終えたが、当該チーム間成績で同大に優勝を譲った。BKの核となるCTB王子拓也(3年)は「去年は自分自身もチームも、舞い上がっていて力を出し切れなかった。この1年、どんな舞台でも力を発揮できる準備をしてきた」。相手には日本代表経験を持つ松井千士、安田卓平の両WTBなどタレントがそろう一方、「うちにスターはいないんです」と天理大は選手自らが“地味”をうたう。伝統の展開力に力強いFWをプラスし、「関西の雄」に黒衣軍団が立ち向かう。