早大(関東)が2年連続4度目の全日本大学選手権決勝となる甲子園ボウル出場を決めた。東北大(東北)に対して開始から力の違いを見せ、QB笹木からRB山崎へのパスで先制した。その後も手を抜くことなく7TDを挙げ、完封こそ逃したものの47-2で一蹴した。18日の甲子園球場での決勝では、西日本を制した関学大(関西1位)と初対戦する。50回目の出場で通算28度目の優勝を狙う名門を相手に、4度目の出場で悲願がかかる。

 早大は昨年は20-10と大苦戦した相手に、けが人を除いてフルメンバーが先発した。前半は4度の攻撃でQB笹木が3TDパスを決めるなどすべてTD。守備もダウン更新を3回許しただけだった。後半はメンバーを一新し、終盤は公式戦経験もない若手も起用。ミスからセーフティーで2点を許したが、甲子園出場をきっちりと決めた。浜部監督はまずは「ホッとしました」と言い、「相手は1カ月ぶりの試合。実戦の勘が戻る前に、立ち上がりからフィールドを広く使って流れをつかめた」と気の緩みはなかった。

 決戦の相手は関学大となった。戦前を含めても公式戦での対戦は初めてで、春にも02年を最後に4度しか対戦したことがない。早大は34年と最古の創部の1つと歴史は上回るが、過去の実績では大きな差がある。浜部監督は「あこがれの存在。初めてで楽しみだが、やりにくい相手には違いない。今は喜びよりも緊張する」と話した。

 MVPは笹木から2TDレシーブのWR西川が選ばれた。OL松原主将、RB須貝、LB加藤ら主力の4年は早大学院出身で、3年時に関西学院に勝って高校日本一になっている。浜部監督は「今年はタレントはいないが、4年がまとまってここまできた」とも話す。須貝は「またやれるのは楽しみ」、笹木は「パスを通す自信はある」と言い、ともに「また勝ちたい」とさらに気合が入った。昨年は立命大を相手に終盤1点差まで迫っての惜敗。4度目の正直で初Vを狙う。