早大が明大に24-22で競り勝ち、対抗戦2位で全国大学選手権進出を決めた。前半を10-10の同点で折り返すと、5点リードされた後半33分にCTB中野将伍(1年)がトライを決め、直後のゴールで逆転。終了間際の明治の猛攻を耐え抜き、接戦を制した。伝統の早明戦の通算対戦成績は53勝37敗2分けとなった。今季就任した山下大悟新監督(36)のもと、8シーズンぶりの日本一を目指し、17日の準々決勝で同大-中大の勝者と対戦する。

 後半ロスタイム。自陣深くでの明大の攻撃をしのぎ切り、終了のホイッスルを聞くと、早大の歓喜の輪が出来た。2万人以上が詰め掛けたスタジアムの上部から戦況を見つめた山下監督は「これが早明戦なんだと、良い高揚感だった。アグレッシブにいこうと言い聞かせ、それをやってくれた2点差だと思う」と満足そうに試合を振り返った。

 春先から強化してきたディフェンスとスクラムが成果として表れた。明大の強力BKを低いタックルで封じると、後半8分には相手陣深くでのスクラムで明大が反則を繰り返し、認定トライを奪取。ロックの桑野主将は「FWにこだわって準備してきた。強みにしようとやってきたスクラムでトライが取れて良かった」と胸を張った。

 山下体制となり、フルタイムのコーチを3人から11人に増員するなど、環境面でも再建に取り組んできた。今季は王者帝京大にこそ大敗も、慶大、明大に連勝。勢いに乗った状態で、昨季2次リーグで敗退した大学選手権に臨む。同監督は「選手には果たし合いを勝ち取って上っていこうと言っている」と力強く先を見据えた。【奥山将志】