高校日本一を決める「JX-ENEOSウインターカップ2016 平成28年度第47回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会」が23日から29日まで、東京体育館で開催される。

 高校総体、国民体育大会を経て行われるウインターカップは、出場チームの集大成であり、最後の大きな大会となる3年生が主役とも言われる。しかし、生きのいい1年生が活躍することでチームの勢いが加速し、上位進出を果たすこともできる。

八雲学園の1年生・奥山理々嘉(写真提供:日本バスケットボール協会)
八雲学園の1年生・奥山理々嘉(写真提供:日本バスケットボール協会)

 今大会で最注目の1年生は奥山理々嘉(東京・八雲学園)。180センチの長身選手ながら、内、外ともにプレーができる。6月にスペインで行われたU-17世界選手権にも出場している逸材だ。チームを率いる高木優子コーチは「1年生ながら、ゲームに対する意欲の高い選手。ビッグマンに対するプレーはまだまだだが、これからもっともっと伸びる」と称賛する。奥山本人も高校総体で桜花学園(愛知)に敗れた後「ウインターカップにつながる、よい経験ができた。ディフェンスなどで課題は多く残るが、次こそは勝てるようにチャレンジしていきたい」と意欲を見せた。その成果が試される時だ。

 男子では中田嵩基(福岡・福岡大大濠)が、飛び級でU-18男子日本代表入りし、8月の同アジア選手権で準優勝を経験。シュート、パス、ドリブルすべてで安定感があり、試合の流れをコントロールできるガードだ。

 中田とチームメートの土家大輝も、中学生の都道府県対抗の全国大会「ジュニアオールスター2015」で最優秀選手に選ばれた、得点力のあるガード。ともに今は兒玉修(3年)がいるため出番は限られるが、少ない出場機会でも実力を発揮してくれるだろう。

 チームを率いる片峯聡太コーチは「彼らの良さは攻撃的なところ。しかし、今年は西田優大らフォワードを中心としたチーム。出場機会も限られるだろう。ウインターカップでは周りの選手を使いながら、ミスをせず、ゲームをつなぐことを覚えてくれれば、来年以降、1ランク上の選手になってチームを引っ張っていってくれるはず」と期待する。

 ほかにも松崎裕樹(福岡・福岡第一)は高校総体の優勝をスタメンとして経験しているし、東藤なな子(北海道・札幌山の手)も高校総体で活躍したルーキーだ。

 今後の高校バスケット界を占う意味でも、1年生の活躍にも注目したい。