13歳の逸材が躍動した。7日、南アフリカのケープタウンで行われた世界ジュニア選手権の男子シングルスで張本智和(エリートアカデミー)が最年少優勝を果たし、3日の団体に続く2個目の金メダルを獲得した。今夏のリオデジャネイロ五輪で脚光を浴びた日本の男子卓球界に、4年後の東京五輪のホープが名乗りを上げた。

 仙台市出身で、中国出身の両親から英才教育を受けて育った。まだ小学6年だった1月の全日本選手権で、社会人選手を破るなど小学生選手で初めて4回戦に進出。大器の片りんをのぞかせた。得点した時に胸を大きく反らせて叫ぶポーズがトレードマークだ。

 4月から上京し、日本オリンピック委員会(JOC)が寄宿制で有望選手を育成するエリートアカデミーで力を磨く。まだ中学1年。初出場でジュニアの頂点に立ち「来年も決勝までこられるかどうか分からない。このチャンスを絶対に逃したくなかった」と喜んだ。

 休む間もなく8日にはドーハ入りし、国際大会、ワールドツアー・グランドファイナルの21歳以下の部でさらに年上の選手を相手に腕試しする。