スノーボードで不祥事が相次ぐ異常事態に、全日本スキー連盟(SAJ)がようやく重い腰を上げた。「コンプライアンス体制を抜本的に見直すことが必要」(古川年正専務理事)と、スノーボードの全強化指定選手らの活動一時休止と第三者委員会による調査に踏み切った。

 ことし4月から国際大会で活躍する未成年のトップ選手、将来を有望視されていた若手の大麻使用と飲酒が次々と発覚。さらに最近、パワーハラスメントなど別の問題を指摘する投書があった。

 スノーボードのスロープスタイルやハーフパイプといった種目は国内外にSAJ管轄外の高額賞金大会が存在する。選手の管理、教育が難しい面はあるが、自浄作用が機能していなかったとも言える事態に、古川専務理事は「問題は私ども組織にある」と、認めざるを得なかった。

 平昌五輪を来季に控え、今季は強化のために重要な時期だ。成田収平競技本部長は「シロとわかった選手は、その都度活動を再開する。それほど大きな影響はない」と話したが、さらなる不祥事が発覚する可能性もあり、五輪への影響も懸念される。