ラグビーのトップリーグ神戸製鋼で唯一、日本代表に名を連ねるフッカー木津武士(28)が9日、代表戦出場への危機感を募らせた。11日東芝戦(ノエスタ)に向けて、神戸市内で約2時間の練習に参加。「トップリーグでしっかりやらないと、代表に選ばれない」と真剣なまなざしで語った。

 昨年W杯日本代表の木津は、11月の代表活動に関西のチームから唯一参加。しかし、11月5日のアルゼンチン戦で途中出場も、欧州遠征3試合ではメンバー外となった。代表はジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ(HC)指揮の下、転換期に入っている。トップリーグで首位を走るヤマハ発動機フッカー日野剛志(26)が出場機会を得る現状に、木津は「ヨーロッパ旅行になった」と冗談を飛ばして苦笑い。すぐさま「代表に選んでもらったのに出られない。その状況がホンマに悔しい」と本音を語った。

 代表活動の最後にはジョセフHCに「メンバーから外れたのは悔しい。ここから先もしっかり見てほしい」と訴えた。現在4位の神戸製鋼だが、日本代表は木津ひとり。「東京に行く新幹線が1人になってしまったから、寂しい」と頭をかく男も安泰の立場ではなくなった。

 「日本代表はリセットされて、その時、その時の調子のいい人間が選ばれる。代表に入るためにも、トップリーグでいいパフォーマンスをしないといけない」

 神戸製鋼は東芝戦を皮切りに、ヤマハ発動機やサントリーなど、多くの代表選手を擁するチームとの対戦を残す。ジョセフHCへのアピールは、ここからだ。