世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームがまとめた最終報告書で、2014年ソチ冬季五輪だけでなく12年ロンドン夏季五輪に向けてもロシアで国ぐるみの不正があったと指摘された問題で、国際オリンピック委員会(IOC)は9日、ロンドン五輪に参加した全てのロシア選手の検体を再検査すると発表した。

 IOCは、ソチ五輪に出場したロシア選手から採取した254の全ての尿検体も再検査する。バッハ会長は声明で「五輪に出場した私としては、このように高度化した不正システムに関わった選手や関係者はどんな形でも五輪から永久追放されるべきだ」と強く非難した。

 マクラーレン氏が責任者を務める調査チームの最終報告書は、ロシアがロンドン五輪前に78選手を対象に不正が発覚しないかを確認する検査を実施していたと指摘した。

 ロンドン五輪の再検査は、元IOC理事のオズワルド氏が責任者の規律委員会が担当する。ロシアの国ぐるみの不正システムについては、元スイス大統領のシュミド氏が委員長を務める調査委員会が対応し、制裁などの対策を検討する。