パナソニックに新加入したオーストラリア代表フランカーのデービッド・ポーコック(28)が、来日4日目で先発デビューを果たした。

 後半16分までプレーし、11トライ圧勝に貢献。「非常に楽しかった。今日はFWは自分たちがやることをやれば、BKがコーナーでトライを取ってくれる。非常に良かった」とさわやかな笑顔を振りまいた。

 世界トップクラスのフランカーが日本デビューを果たした。前半から接点で持ち味の力強さを発揮。タックル後に起き上がり、ボール奪取につなげるスピードには、ホンダで同じ7番を背負った小林亮太(25)も「手を伸ばす速さが世界レベルだと痛感した」と尊敬のまなざしで見るほどだった。

 7日夜に来日し、8日から2日間の練習を経て臨んだ一戦。試合前にはロビー・ディーンズ監督(57)から「ラグビーを始めた頃を思い出して楽しめ」と送り出され、ポーコックは「こんなに朝早くプレーしたのは15歳以下の時以来だ」と苦笑いで午前11時45分開始の一戦に臨んだ。

 苦労したのは、ラインアウトの際の日本語でのサイン。それでも世界レベルのプレーを発揮するあたりが本物だ。まだ、周囲の選手の名前も覚えられていないが「あと何日かしたら、覚えられます」とニッコリ。ディーンズ監督は「チームのことは覚えないといけないことがたくさんあるけれど、試合が始まれば素晴らしい一流の選手。ボールが動き始めれば、後はラグビーなんだから」と実力に太鼓判を押した。パナソニックは9勝2敗の3位から、大きな戦力上積みで4連覇を目指す。