来年2月の欧州国際大会に向けた柔道女子日本代表の強化合宿が20日、都内で行われ、リオデジャネイロ五輪48キロ級銅メダルの近藤亜美(21=三井住友海上)らが来年以降の新ルールについて言及した。

 新ルールでは指導3で反則負けとなり、有効が廃止されて一本と技ありだけになる。近藤は「韓国の選手とかは指導を取るのが得意なので、早い段階で指導3を狙ってくるのでは」と警戒。有効に近い技ありと、一本に近い技ありが“同格”になることについては「ちょっと転んだり、とりあえず投げたら技ありになるのかな?」と疑問を抱いた。

 今月9日に国際柔道連盟(IJF)のHPで新ルール発表後、所属先から英文のルールが記されたプリントが渡されて、年内中に翻訳の宿題が課せられたという。「半分ぐらいやりました…」と苦笑いした。

 78キロ超級の朝比奈沙羅(20)は、進学校の渋谷教育渋谷高出身らしく、IJFの英文を熟読して自分なりに解釈したという。「自分にはそんなに不利なルールではないと感じた。ルールにいかに適応できるかということが勝負になると思う」と冷静に分析した。また、朝比奈が柔道関係者を取材して情報収集したルールと報道されているルールに違いがあり、「認識の違いがある」と困惑した表情を見せた。

 女子代表の増地克之監督は、五輪が行われるごとに変わるルール改正に理解を示した。「IJFが五輪競技から外されないということを一番に考えた結果だと思う。柔道をより魅力的にしようという意図は伝わる」。来年1月13日に西田審判長が選手へ説明会を行う予定で、その後、対策を検討する。新ルールは、2月のグランドスラムパリ大会から試験運用され、今夏の世界選手権(ブダペスト)後に検証される予定。