欠場した羽生と同学年の田中刑事(22=倉敷芸術科学大)が“自己ベスト”の85・68点で3位発進した。冒頭の4回転サルコーで着氷が乱れたが、踏みとどまった。その後は観客の手拍子を呼ぶ躍動感あふれる演技を披露。国際スケート連盟(ISU)非公認ながら11月のNHK杯での自己ベスト80・49点を大幅に上回った。「緊張したけど、何とか思い切ってできた。やっと解放感を味わえた」と控えめに笑った。

 トップを突っ走る同じ22歳の羽生がインフルエンザで不在。前日22日には「ユヅ君のいない全日本は想像できない。少しでもいい演技をしたい」と盛り上げ役を誓っていた。トップの無良と約5点差につけたが「トップの得点は見てなかった。フリーでは今年やってきたことを年末の集大成としてやりたい」。好発進の波に乗って、今日24日のフリーで表彰台を狙う。