福岡第一が東山(京都)に81-78で競り勝ち、11年ぶり2度目の優勝を決め、全国高校総体との2冠を達成した。主将で弟の重冨周希、兄の友希(ともに3年)の双子ダブルエースが35点を奪った。3位決定戦は創部4年目の北陸学院(石川)が帝京長岡(新潟)を59-49で下し、石川県勢初の3位に入った。

 福岡第一が信条の「走るバスケット」を最後まで貫いた。総体決勝と同じ顔合わせで前半を39-32とリード。最後は3点差にまで迫られたが、主導権を握り続けた。チーム最多の23点を挙げた重冨周希は「3年間で一番最高の気分」。12点の友希は「3年間やってきたことが報われた」と喜びを分かち合った。

 重冨ツインズは息の合ったプレーが持ち味だ。友希がボールを奪えば、周希は「取るだろうなと、ピンときた」と先を走り、速攻。「適当に出したようなパスがナイスプレーになる」と井手口コーチもうなる連係で、敵陣を切り裂いた。3年間をともにした土居光(3年)は「寝相が全く一緒。これがDNAか」と明かした。一方、井手口コーチは「バスケ以外は別人。兄の方が強い。弟はすぐ泣く」と、2人の違いも明かした。

 高校最後の年を2冠で終え、周希は「言い合うこともたくさんあったけど、だからこそいいプレーができた」と友希との3年間を振り返った。卒業後は「一緒にいた方がいい」という家族やコーチの勧めもあり、ともに専大に進学する。東京体育館を沸かせたコンビプレーには続編がある。【山本大地】